外出の不安や負担を最小限にするために
とても特別で素敵な空間
「家族で旅行に行きたい・・・」
「妻と一緒に桜の花を観にいきたい・・・」
「仕事に復帰したい・・・」
私は福祉車両の改造業務のなかで
このような相談をたくさん
受けてきました。
たとえこのような明確な外出の
目的が無くても「外出したい」という
希望をもつ高齢者や障がい者は
多くおります。
車は、単に目的地まで行く移動空間
ではなくて、同じ風景を見る
同じ音を聞く、相手の息遣いが
感じられる、とても特別で素敵な
空間です。
私はそのような空間で過ごす時間が
QOLの向上につながるとともにも
世界が広がると考えています。
福祉車両改造や購入時に
確認したいこと その1
しかし、「車での外出」と
ひとことで言っても、身体に麻痺が
ある方や、車いすなどを利用
している方にとっては
○家屋内での玄関までの移動
○玄関から車への移動
○座席の乗降り
○外出先での移動
○車いすを利用している場合は
車いすの積み降ろし
など様々な動作が必要となります。
そして、これらすべての動作を
①自分自身で出来る方
②一部介助者の力を必要とされる方
➂全ての動作で介助者の力を
必要とされる方
等様々です。
そして、移動と乗降り(移乗)には
転倒リスクという不安があり
介助者の負担もともなってきます。
この不安と負担により
外出そのものが億劫になり、外出を
やめてしまうという事が現実問題と
して多く見受けられます。
また、自動車販売店で福祉車両を
購入した後に
「使いづらい、
もしくは使えないからどうにか
してほしい」
といった相談を
受けることも少なくありません。
福祉車両改造や購入時に
確認したいこと その2
したがって、「福祉車両改造や
購入」には以下のことの確認が
求められます。
○本人の身体状況
①体格
②疾患・麻痺・筋力・欠損
③ADL
○同乗者の介助力
①家族構成
②体力
○家屋環境
①玄関・玄関アプローチ
②駐車スペース
○使用中もしくは使用予定の
福祉用具や補装具
①車いすの種類や大きさ等
②下肢補装具の種類や大きさ等
これらの情報をもとに、福祉車両を
改造する。それが不安や負担を
最小限にした車での外出環境の提案に
繋がると考えています。
福祉車両改造の特長
福祉車両改造のわかり易く
説明するために「本人の能力」と
「介助力」を踏まえ3つに分類します。
①単独での歩行は可能だが
乗降りが不便
②車いすを使用しているが自力
介助による乗降り(移乗)が可能
➂車いすを使用していて自力、介助に
よる乗降り(移乗)が困難
今回は特に乗降り(移乗)の
福祉車両改造についてご説明いたします
単独での歩行は可能だが乗降りが不便
これらの方は杖の仕様や支え歩きが
可能な場合です
乗降り(移乗)の際にバランスを
保つために、つかまり易いところへ
アシストグリップを取り付けます
乗降り位置が高い車(ミニバンやSUV)
には、ステップも必要になります。
また、より安全に乗降り(移乗)する
ためには、回転シートや回転昇降シート
への改造が好ましいです。
車いすを使用しているが自力介助による乗降り(移乗)が可能
これらの方は主に車いすを使用して
いても、つかまり立ちができる方や
本人・介助者が移乗方法を熟知して
いる場合です
この場合、回転シートや
回転昇降シートへの改造になります
ちなみに回転昇降シートは車いすの
座面に対しシートの高さを
移乗しやすい高さに調整することが
できます
また、車いすを使用していても
上肢の能力が高く移乗技術も
備えている方は
移乗用サイドサポートシートを
選択することも可能です。
車いすを使用していて自力、介助による乗降り(移乗)が困難
これらの方は車いすを日常において
使用し、身体の状態により本人による
移乗が困難でかつ介助者に頼れない方です。
この場合は、車いす用昇降リフトを
取り付けるか、スローピングランプを使い
車内へ乗りこみを行います
一方、回転(回転昇降)シートの座席を
専用の車いすへスライドドッキングする
カロニーシステムも選択肢の一つとして
提案しています
まとめ
このようにお客様によって必要な
福祉車両の改造が大きく違ってきます
「一つの手すりから」
お客様の世界が変わっていくと
信じてこれからも
しっかりと
お客様のお話を聞いていきたいと思います。